本記事は”さくらの雲*スカアレットの恋”本編のネタバレに触れて感想を書いていくので最後までクリアしていない方はクリア後に読むことを推奨します
まだクリア済みでない方はここで回れ右をオススメします(後悔しないように二度言っておいた)
それではやっていきます
共通√
本作の共通√は出題編という形で謎の提示がされるようになっています。司と所長が探偵ということもあり”出題編”って合ってるなと何となく思っていました
出題編では
・司は歪みを直さなければ未来へ帰ることができない
→歪みを直すことを事件の解決でこなしていく
・加藤という男が何者なのか。また、何を企んでいるのか
・怪盗ヘイストの謎について
・共通√ラストシーンで特に顕著に見受けられた遠子の謎
以上の4点が提示された点なのかなと思いました。
プレイしている中ではオーパーツ,歴史上の人物などの様々なネタが盛り込まれていてその点でも自分の興味を唆る要因の一つとなっていました。
他にも加藤の帝都再建計画も実は明かされていない黒幕が存在して何か意図したものがあるのかなと思いながらプレイしていたんですが、共通√ラストの関東大震災を人為的に引き起こしたシーンを見る限りそうではなさそうだなと思い増々謎が深まりました。
そして一番思ったのは、
”司が歪みを正して未来へ帰る”=”それぞれ主要各ヒロインとはお別れになる”
点をどのようにまとめるかが楽しみだなと思いながら共通√を終えました
遠子√
結果的に言うと本作の√順は固定になっているんですが、自分の中では”蓮→メリッサ→遠子→所長”の順で進んでいくと思っていたのでタイトルで遠子が出てきた時は早いなと思いました。
遠子√では怪盗ヘイストの謎について迫っていきます
最初は誰なのかなと思いながら読んでいたのですが、司が怪盗ヘイストとすれ違った際に”匂い”に反応していたのでリーメイだと思っていました。しかし、遠子がリーメイに命じて怪盗ヘイストをさせていたというのは驚きましたね。ここでは遠子の母の事情とそこから生じる遠子とリーメイのすれ違いを上手くまとめていたので読み終わっ後スッキリしました。
日常シーンでは
司が未来人だと分かった途端に距離が縮まっていくような雰囲気があり、恋人同士になった後は普段は凛とした姿を見せながらも、シーンなどでは慣れていない様子で攻められる感じもとても良かったです
蓮√
蓮√では大筋に直接関わる話が展開されるというより、バウムクーヘンを作る過程を通して間接的に大筋に迫っていくといった内容でした。その過程では加藤の謎が成田を通して少しづつ分かっていくことになります。狼と万斉の話も良かったです。
日常シーンでは
初めは弱気なイメージがするしオドオドするのかなと思っていたらまさかの小悪魔タイプでビックリしました。洋服姿も可愛かったし最高でしたね。特に司に宛てた恋文の言い回しは自分の中でもお気に入りのシーンの一つです。
蓮√恋愛的な側面が強かった気がするんだけど気のせいかな?
メリッサ√
遠子の屋敷で雇われているメイド。雇われていると聞くと主従感が強くなりますが凄く仲が良いです。フィシュアンドチップスが得意料理らしいです(それ以外だとうなぎゼリーがあるが作れるらしいがあれは食べれるものではないので実力は未知数...)
メリッサ√では列車内でのミステリーが展開されます
話自体は事件が起こる中で次第に乗客達が互いを疑心暗鬼になっていくというよくある感じなのですが、各部屋を選択して回る仕様にしてくれたお陰で謎解きをしている感覚がより実感できたので良かったです。
それでも最後まで犯人は解けませんでしたね(笑)。千里眼少女の正体は途中からメリッサの可能性があると睨んでたんですが、殺人犯の方はまさかの柳楽刑事でビックリしました。自分の柳楽刑事のイメージは正義バカだったので最後までその姿勢で貫くと思考が完全にロックされていました。その後、無事に犯人が解決できて遠子と仲直りした場面は本当にいい関係だなとホッコリしました。
日常シーンでは
列車編での緊迫感も解けメリッサの可愛い私服姿や要所要所で見せる可愛い仕草を見てニンマリしていました。
そんな中、メリッサ√もそろそろ終わりかなと思い面白かったけど加藤も絡んでこなかったし少し盛り上がりには欠けたかなと思いを巡らせていた瞬間にその時は訪れます...
嘘だろ!!!!千里眼の力本物だったのかよ!!!!
この時だいたい深夜2時前くらいでこれが終わったら一回寝て所長は起きた時に回さそうと思っていたんですが、眠気が一気に吹き飛んでいきましたね。テンションMAXとはまさにこのことです。そんな中で遂にラストの所長√に向かいます
所長√
お金が大好きでお金を見ると飛びつきそうになるくらいで(忍○ま乱太郎のキリマルかよと最初思った)司より一見推理力が低いように見受けられますが、重要な局面では必ず活躍したり,決めてくるところはしっかり決めるカッコよく最高な女性です
所長√は出題編,遠子,蓮,メリッサの4つの√を全て回収し未来への歪みを無くしていくお話です。簡単に言うと完結編です。ここで所長の名前がレベッカ・クルーガーであることも判明します
1
~司が手袋をしていたのは左手の義手を隠すためだった~
司が手袋をしていたのはてっきりそういう格好だからとばかり思っていたし、左手の運動も自分はずっと男性の性欲発散手段のものだと思っていたので完全に騙されました。思い返してみればHの際にも手袋を外していなかったので、そこで既に伏線は張られていたのかもしれません
~義手になっている理由など~
これが本当に凄かった。実は”桜雲2年”の未来から来ていたという点です。てっきり現実の自分たちと同じ”令和2年”から来たとばかり思っていました。桜雲では令和のような戦争がない世の中ではなく、寧ろ激化の一途を辿り第三次世界大戦が起きています。その結果として母を亡くし,左手は義手になるという散々なものとなっています。さらに、そこから今まで司が自らの意思で歪みを生んでいたことが分かります。これまでは各ヒロインと恋人になりその想い一心に未来に帰らない選択を取ったのだと思っていました。しかし、この司の背景を加味すると未来に帰りたくないという想いには悲しい側面も含まれていたことが分かります
~所長との一連の会話など~
この場面で次々と司の謎を解いていく所長ですが、ここでも司のことを想いその関係性に沿いながら話が進んでいく展開には実際に鳥肌が立っていたくらいです。そして、所長の想いは届き司は歪みを正し未来に帰ることを決意します。ちなみにこの段階で司は既に所長のことが好きであり、その想いを持ちながら加藤の目論見を潰し歪みを正すことを決意したのは所長と司という同じ屋根の下で過ごし事件を解決してきた二人の関係性だからこそ至った結果だと思っています
2
~”加藤の謎”について~
加藤が未来人ということは各√での会話の節々からも皆さん感づいていたと思います。ただ、加藤が司よりさらに100年先の未来から来ていた点と万斉の祖先だという点は気づきませんでした(何処かに伏線とかあったのかな?もしあったなら教えてください)
そこから
・加藤が居た未来の時代では既にタイムマシンは存在している
・タイムマシンの理論は万斉が既に確立していた
→そのため加藤は祖先である万斉に目をつけていた
・タイムマシンの名前そのものが”アララギ”
→アララギが直接事象に干渉できない理由の判明
の以上3点が判明しました
~加藤との最終決戦~
遂に最終決戦がやってきました。最終決戦では、最初の方は直ぐに所長や司が捕まりピンチになったと思われましたが
・マイは記者の力,ヒミコは占い師による揺動作戦
・成田は作戦にあたっての根回し
・リーメイは怪盗ヘイストの姿を生かした作戦
・蓮は手先の器用さを活かし同じ筆跡での成りすまし作戦
・遠子,メリッサは家の力を使い局所的な地震発生による地下施設破壊
・アララギから万斉へのお見合い相手にフラれた旨の手紙を渡す
→万斉が本来結婚し繋いでいくはずだった未来が加藤が関係性をないがしろにしたことにより崩れ加藤が生まれないことになった。その結果として加藤の存在自体が否定される形となり加藤を倒すことができた
・極めつけの所長による謎解き・司による作戦の組み立て
以上の深く関わってきた人たちの誰が欠けても成立しないであろう関係性を大事にした作戦で事件を解決しました
3
歪みを正し遂に別れの時間です。成田などヒロイン以外の人物含め各々の居る場所へお別れの挨拶をしに行きます。どの人物との別れも悲しかったんですが特に蓮が悲しかったですね。自分の願いとしては最後に一言未来に帰るということを伝えてあげて欲しかった。ちなみにこの時点で既にポロポロと涙がでていました。そんな中、やはり最後は所長です。所長との別れに差し掛かる段階で初めは涙は我慢するぞと思っていたのですが、司と出逢い別れるさくらの木の下に着いた瞬間我慢の限界を迎えましたね。誇張なしで声が出そうになるくらい泣きました。そして、自分が一番心に刻まれたシーンがこちらです
この一連の会話が司と所長が最後寄り添うCGを含め本当に好きです。今でもこのシーンを見ると涙がでてしまいます。他には未来に帰った後の司とマリィの日々も何らかの形で見てみたいなと思ったりしましたね。EDでは司が帰った後のそれぞれの軌跡について書かれていて司が皆と繋いだ未来の形の一部が見えたようで良かったです
最後に
自分の中でこの作品は本当に心に刻まれる作品であり名作のひとつになりました。この先どれだけの名作と出逢えるかは分かりませんが、そんなことは関係なくこれからも色んな作品を遊んでいけたら良いなと改めて思いました。直近で言うとアイこめ発売までに魔女こいにっきと恋×シンアイ彼女を終わらせたいなと思っています